ケララ人に日本語を教えるケララのブログ

南インド大好きなケララの日々の出来事を書いています

インド人に日本の義理人情は通用するのか?

こんにちは。ケララです。

 

8月最後のレッスン日のこと。

その日は4人でのレッスンで、レッスンの最後Skypeを切る前にいつも通り雑談をしていると、エンジニア君たちが突然「Rさん、Rさん」とひとりの名前を呼び始めました。

 

呼ばれたR君が画面の中央に現れて、それまでとは違う神妙な面持ちで口を開きました。

 

「私は来週から違う会社に行きます。レッスンは今日で最後です。ありがとうございました。」とのこと。

 

緊張しながらの報告なので、スラスラ言えた訳ではなく、モゴモゴしていたのですけれど。

 

 

じつはこの日のレッスン前、ケララは友人である彼らの社長と電話で話をしていて、R君が会社を辞めることを聞いていました。なので、通常通りレッスンに現れた時はちょっとびっくりしました。レッスン中はケララもそのことには触れず。終了後にエンジニア君たちからアクションがありました。

 

うーん。ケララはちょっとショックでした。1年以上レッスンをしてだいぶ上達しましたし、彼のキャラクターや外見は、日本人に好かれるということを確信していたからです。

 

 

ケララは十数年、平日は外国人100人前後と接する生活をしています。その経験から、社会人として日本人に好まれるタイプを判別することには自信があります。もちろん、ひと目でわかるということではなく、数か月レッスンをしてみて、彼らの本来の性格が垣間見られるようになってから、ですが。

 

社長である友人はインド人なので、「日本人に好まれる」という視点はあまり持ち合わせていません。なので、次にどのエンジニア君を来日させるかについて、ケララとよく話をします。

 

友人が採用したエンジニア君たちの中にもずる賢い子は存在して、日本人には好かれないなぁと感じます。若さゆえに自己評価がやけに高く、協調性に欠けるタイプ。インドの中でキャリアを積み上げていくほうがいいだろうなぁと思わせられる子です。

 

ケララは次はR君が来日する番だと思っていました。だから余計に残念。

 

とはいえ、ケララは心理的な残念ですみますが、社長にしてみたら、心理的のみならず大きな損失です。日本語レッスンにかけた経費、派遣できるエンジニアの減少。ここで身につけた日本語が、次の会社で役に立つことになる可能性が高いですしね。

 

インド人の若いエンジニアが少しでも好待遇なところへ短期で転職するというのはよく耳にすることで、文化のようなものですから仕方ないですが、日本人の心情としては、「ここまでお世話になったからには、もう少しここで頑張ろう」があってもいいのではないかと思ってしまいます。

 

もちろんR君が悪い子という意味ではなく、文化の違いです。インドではそれが日常茶飯事。悪気はありません。「どうして辞めちゃうの?」というケララの質問に、「よりよい将来のため」と答えたR君。(インドのもっと大都市の会社に転職します)

 

最後のレッスンでしっかり挨拶をしてくれるあたりは、やっぱり誠実な子だったなぁ、日本に来ても上手くやっていける子だったなぁと、寂しい気持ちになりました。散々コンタクトを取っていたHRのインド人は、挨拶すらありませんでしたから...。

 

R君の場合を長い目で見ると、日本の会社に派遣したとしても、よりよい待遇の会社に転職してしまう可能性がありますから、派遣前だったというのは、これはこれでよかったのでしょう。

 

 

「日本人に好まれるタイプ」の判別はできても、会社に恩返しをしようという日本の義理人情が通じるエンジニア君を判別することまではなかなか難しいですね。ケララもまだ修行が必要です。