ケララ人に日本語を教えるケララのブログ

南インド大好きなケララの日々の出来事を書いています

外国人労働者の日本語力について考える

こんにちは。ケララです。

 

先日、某人材派遣会社の方からお問い合わせがあり、担当者の方とお会いしました。

 

日本政府は、深刻な人手不足が懸念されている分野を対象に、これまで認めていなかった単純労働者の就労を認め、新しい在留資格を設けるという方針を表明しています。そんなことも影響し、派遣会社への外国人の登録も、外国人を採用したいという企業も増加している状況のようですが、そこで問題となるのが「日本語力」です。

 

派遣会社に登録する外国人は、時給で会社を選びます。しかし、高い時給を払ってくれる会社ほど、高い日本語力を持つ人材が欲しい。当然のことだと思います。

 

「こちらの会社なら、今の日本語力でも働けますから、最初はここで慣れてから、次を考えたらどうですか?」と尋ねても、イエスという人はほとんどいないそうで、派遣会社の方はその調整に困っていらっしゃいました。

 

ケララはこれまで、採用する企業側が欲する以上の能力を持つ人材であれば、日本語のレベルが多少劣っても問題なく採用してもらい、企業の補助で日本語のレッスンを受けさせてもらっている、そういうケースをいくつも見てきました。そして、そんな外国人のレッスンを数年間引き受けていたことがあります。

 

でも、こういったパターンの外国人は単純労働といわれる分野ではなく、エンジニアなどの専門的な知識を持つ外国人で、採用する会社も名前を聞けばほとんどの人が知っているであろう大企業です。

 

派遣会社の方々の悩みはそういった外国人ではありません。定住者や永住者、家族滞在の在留資格を持つ外国人や、留学を終えた外国人の就職で、日本語力の不足している人たちに対し、どのように日本語学習の機会を与えられるだろうか、というご相談でした。せっかく集まった人材を、日本語力を理由にそのままお断りするのは、お互いにとって痛手だとのこと。

 

ケララの周りでは、日本語力のある外国人であれば派遣会社を通さず自分でハローワークからでも就職先を見つけて就職していますし、派遣会社に登録する外国人はどちらかというと「日本語はできなくても、なるべくラクして、時給のいいところで稼ぎたい」人が多いです。ですから、派遣会社が日本語学習の場を設けたとして、うまく機能していくかは難しいところでもありますが、やはりそのような場は必要ではあるなぁと思います。

 

近年の日本語学校の増加はめざましく、介護関連や人材派遣会社なども、日本語学校を設置するようになりました。流行りのビジネスといった様相です。これにより、「アルバイトひいてはその先の就職ありき」な留学生の受け入れ体制が、問題として明るみになることも多くなっています。ケララがお会いした派遣会社の方も、そういった諸々を考慮している模様。学校を作る、というレベルではない次元で、ケララもお手伝いできればとは思っていますが、どうなることやら。

 

外国人労働力の受け入れに伴って必ず発生するであろう日本語力の問題。指示がうまく行き届かなかったり、意思の疎通が図れなかったりしたら仕事になりませんから、そこで働く日本人にとっても、大きな問題であることは間違いありません。政府はどんな打開策を打ち出すのでしょうか。

 

ケララはケララなりに、ケララのメインであるエンジニア君たちのレッスンを頑張って、彼らの来日の力になりたいと思います。